おりものの増加、排尿痛、陰部のかゆみは性病の可能性

性病のなかには、なかなか自覚症状が現れないものもありますが、多くはデリケートゾーンを中心とした部位の痛みやかゆみ、ブツブツあるいはおりものの量や色、臭いの変化が現われます。

また、発熱や下痢、食欲不振、全身の倦怠感といった風邪と間違えやすい症状が出ることもあります。下のリストは女性の性病が疑われる場合の代表的なサインをまとめたものです。

女性の場合、性病をそのまま放置しておくと不妊症のリスクが生じます。該当する症状を見つけた方は、できるだけ早く検査を受けるようにしましょう。

  1. おりものの量が増えた・泡状のものが見られる
  2. 黄色や緑色のおりものが出て、悪臭がする
  3. 排尿時にシカシカした強い痛みを感じる
  4. 尿道からドロっとしたもの(膿)が出てくる
  5. 陰毛部周辺に痛み・かゆみがある
  6. 性器や肛門周辺にブツブツができた
  7. 不正出血がある
  8. のどの腫れや痛み、発熱、全身倦怠感がある

黄色や緑色のおりものが出る場合に考えられるのは、トリコモナス原虫によって起こるトリコモナス膣炎で、おりものによる刺激で外陰部がかゆくなります。悪臭もあります。

黄色いおりものはクラミジアに感染して、子宮頚管に炎症を起こした時にも増えます。女性は膣と肛門が近いため、肛門から大腸菌などの雑菌が入りやすく、膣炎を起こしていることも考えられます。

性器の痛み・違和感が現れる場合に疑われる病気としては、性器ヘルペストリコモナス膣炎膣カンジダ症などが挙げられます。性器ヘルペスでは、潰瘍が再発してピリピリした痛みが続くことがあります。

尿道から膿がでる場合、クラミジアや淋病、カンジダ症、トリコモナス症などが疑われます。特に多いのがクラミジア淋病の二つで、クラミジアは透明から白っぽい膿が、淋病では黄色っぽい膿が出ますが、色には個人差があります。

排尿時に痛みがある場合、考えられる代表的な病気は膀胱炎です。多くは肛門周囲の大腸菌や化膿菌などが尿道を通って膀胱に入り、炎症を起こしたものです。排尿時に下腹部から尿道にかけてシカッとした痛みが走ります。痛みは、排尿中続くこともあれば、終わる時になって痛み出すこともあります。

トイレが苦痛になる

排尿痛とともに、1日何回もトイレに行きたくなるのも膀胱炎の特徴です。尿がいつまでも残っている感じ(残尿感)があったり、血尿や微熱が出ることもあります。治療には病原体に応じた抗生物質を使用しますが、細菌が完全にいなくなるまで薬を飲み続けることが大切です。

女性の外性器は尿道口、膣口、肛門の位置がとても接近しています。つまり、膣も尿道口も、構造的に細菌が侵入しやすい状態にあるのです。さらに、女性の尿道は男性と比較してかなり短いため、侵入した細菌が膀胱へ感染するケースが多くなります。

細菌の感染によって起こる膀胱炎を予防するには、清潔を保つことが一番です。入浴やシャワーでデリケートゾーンをキレイにする、月経時はナプキンをこまめに取り替える、排便後は前から後に拭く、などを心かげましょう。

また体力が低下すると細菌感染が起こりやすいので、過労を避ける、尿量が少ないと細菌が繁殖しやすいので水分を多めに摂る、トイレを我慢しない、などの点にも気をつけましょう。

性器にできものが現れた場合には、尖圭コンジローマ性器ヘルペスなどが疑われます。コンジローマでは、ピンクもしくは白っぽい大小様々なサイズのブツブツが膣口付近にできます。硬さは柔らかいものもあれば、硬いこともありますが、先っぽが尖っていることがほとんどです。

ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因

ただし、コンジローマによく似たブツブツ(=フォアダイス:脂肪の粒)を先天的に持っている人も少なくなく、性病と誤診されて必要のない薬剤を投与されれてしまうケースもあります。コンジローマと異なり、生まれつきのブツブツは小さく同じサイズのものが一列に並んでいるのが特徴です。

性器ヘルペスでは、膣口に月面のクレーターに似たオデキが現れます。クレーターのなかは白っぽく見え、指で強く擦ると潰れて水が出てきます。ピリピリ感が現れ、入浴時に石鹸が染みるので、これが発見のきっかけとなることがあります。

クレーターは数日で潰れますが、潰れた後は数日間残ります。皮膚の一部が薄くなったり、クレーター状の凹みがあったりするとヘルペスの可能性が高いです。ヘルペスは一度感染してしまうと根治せず、体力が低下したときなどに何度も再発しては自然に治るということを繰り返します。

デリケートゾーンがかゆいのは、女性にとって珍しいことではありません。かゆみの原因の多くは、おりものの量が増えたことでデリケートゾーンが湿った状態になり、雑菌が繁殖するためです。通気性の悪い合成繊維の下着をいつも着用していると、蒸れやすい夏場はかゆみが強くなることもあります。

外陰部は清潔に!

そのほか、月経時のナプキンでかぶれることもあります。長時間漏れないということは通気性が悪いという一面もあるため、ナプキンは早めに取り替えましょう。おりものシートも同様です。かゆみを感じたらシャワーなどで清潔にし、下着は綿100%のものを使用しましょう。

清潔を心掛けていてもかゆみが治らない場合は、病気が原因となっていると考えられます。かゆみが起こる病気として多いのは、膣カンジダ症トリコモナス膣炎外陰炎で、おりものの量が増えるのも特徴です。クラミジア、淋病でもかゆみが感じられることがありますが、「我慢できないほど」強いかゆみではないので、かゆみだけで感染の有無を判断することはできません。

最も強いかゆみが現れるのは毛じらみで、頻繁に陰毛部をかきむしりたくなります。毛じらみは陰毛の毛根部に寄生しており、セックスで移ります。光を当てて陰毛をよく見れば、肉眼でも小さな白いものが動いているのが確認できます。

不正出血(月経以外の性器からの出血)がある場合、その原因としては膣や子宮、卵巣、卵管など性器に何らかの異変があって起こる「器質性出血」と、月経周期やホルモンバランスの乱れによる「機能性出血」の2つが考えられます。

早急な治療が必要となるのは前者の「器質性出血」の方で、病的なケースがほとんどです。最も危険なのは子宮頸がんで、不正出血で婦人科を受診したら、まず子宮頸がんの検査が行われます。ほかには、子宮筋腫子宮頚管ポリープ、クラミジア感染やカンジダ感染による炎症、それに伴うびらん(ただれ)なども出血の原因となります。

セックスの後に出血があるのであれば、子宮膣部に腫瘍性の病変があって、そこから出血している可能性もあります。この場合は、子宮頚管ポリープ、子宮膣部びらんだけでなく、子宮頸がんも疑われます。

不正出血は、必ずしも治療が必要なものばかりではありませんが、出血量や色で危険の有無を判断することはできません。なるべく早く婦人科を受診して検査を受けるようにしましょう。

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