淋病は自覚症状が乏しく、クラミジアとのダブル感染が増加中

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淋病はクラミジアに次いで多くみられる性病で、セックスによる淋菌の感染で発症します。古くから知られている病気で、患者数は1984年をピークに以後減少傾向にありましたが、1995年を境に再び増加傾向に転じています。

感染して数日後に膣炎を起こして、おりものの量が増えたり、外陰部がかゆくなったりしますが、女性の場合は症状が軽くて気づかなかったり、全く症状が出ないこともあります。

淋病を治療をしないでそのまま放置していると、感染が子宮の奥や卵管にまで及んで、子宮頸管炎や卵管炎、子宮内膜炎などを引き起こし、不妊に繋がることもあるので注意が必要です。

さらに、妊娠中に感染すると、分娩時に産道感染し、新生児結膜炎を引き起こして最悪の場合は赤ちゃんが失明してしまうケースもあります。

一方、男性の場合はトイレに行くのが怖くなるほどの激しい排尿痛に襲われます。淋病の「淋」という字は「しずく」を意味しますが、この激痛を恐れてチョロチョロと「しずく」のような排尿しかできなくなるためにこの病名が付けられたのです。治療をせずに放置していると、精巣上体炎を起こして、無精子症になり、不妊の原因になることがあります。

男性が病院で淋病と診断された場合、大半の方はパートナーへの感染を心配して検査をすすめますが、女性は「ワタシは症状が出てないから大丈夫だよ」と意に介さなかったり、医者にかかるのを嫌がったりすることが少なくありません。

淋病の感染伝達率は、一回のセックスで約30%とされています。すなわちこの病気に感染した男性とセックスを複数回重ねている女性の場合、自分も感染している可能性が非常に高いことになります。

自分の感染に気がつかない女性がそのまま放置していると、パートナーである男性がせっかく治療を受けて病気を治しても、再び感染させてしまったり、他の誰かに移して病気を広めてしまうことになります。さらに病気を進行させてしまうと、腹膜炎を起こしたり、産道感染で出産に大きな影響を及ぼすリスクも出てきます。

淋病で気を付けたいのは、男女ともにクラミジアと複合感染している人が増えており、淋病感染者の約20~30%はクラミジアにも感染しているとされています。淋病とクラミジアは病原体が違うので、治療薬も別々のものが必要です。

原因となる病原体を正確に突き止めきれないまま、どちらか一方だけの治療薬を使用しても症状は治まりません。淋病の検査を受ける際には、クラミジアの検査も同時に行い、原因を究明することが大切です。

従来、淋菌に有効な抗菌薬はたくさんありましたが、薬が効かない「耐性菌」が相次いで出現した結果、選択肢が限られてきているのが大きな問題となっています。現在は、第一選択薬であるセフトリアキソン(商品名:ロセフィン)をはじめ、スペクチノマイシン(商品名:トロビシン)、セフォジジム(商品名:ノイセフ、ケニセフ)の3剤いずれかを注射して治療します。

扁桃腺が赤くなることも

また、近年の淋病の大きな特徴として、オーラルセックスが普及したために、咽頭(のど)に感染するケースが急増していることが挙げられます。これは「口では性病に感染しない」という誤解が広がったことが背景にあると考えられます。

咽頭からの感染は性器の場合と比べて症状がさらに現れにくく、喉の痛みや腫れなどの自覚症状がある人は多くありません。そのため、感染に気づかなかったり、たとえ治療しても咽頭に淋菌が残ることがあり、病気を広げる結果になっています。喉の感染は、抗菌薬が効きにくいため、性器の病変と比較して治療期間が2倍以上かかることも大きな問題です。

淋病はこのように症状が出にくく放置されやすいため、慢性化しやすい病気となっています。不特定多数のパートナーがいる方、オーラルセックス等の類似性行為を頻繁に行っている方は、医療機関で一度、淋病とクラミジアの検査を一緒に受けておくと安心です。

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