風俗でフェラされた男性から女性パートナーへ感染が拡大中

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梅毒は、キスやセックス、オーラルセックス(フェラ、クンニ)を通じてトレポネーマ・パリダムという螺旋状の微生物(写真参照)に感染する病気です。性感染症(STD)のなかでも古くから知られていますが、近年、感染が再拡大しています。

採血によるTP抗体検査

梅毒の感染者数は2014年、2015年に過去最高を記録しましたが、2016年もそれを上回るペースで増加(10月現在で年間4000人を超えると推測)しており、特に東京、神奈川、大阪、福岡などの大都市での報告数が多くなっています。

従来の梅毒の感染者は、粘膜が弱く出血が起こりやすい肛門を使った性交(アナルセックス)を行う男性の同性愛者の割合が高かったのですが、現在は一般の男女にも急増しています。年代別に見ると、男性では40代、女性では20代の感染者が顕著な伸びを示しています。

梅毒の感染者数の推移グラフ

感染者の急増の大きな理由の一つに、コンドームを使用しないフェラチオ(生フェラ)のサービスを提供するピンサロなどの風俗があると指摘されています。すなわち、喉に梅毒が感染した風俗嬢からサービスを受けた男性のペニスに感染し、今度はそのパートナー(彼女や妻)にもセックスを通じて感染が拡大しているというわけです。

実際、2016年に放送された「NHKクローズアップ現代+ 復活する感染症」の梅毒の特集シーンでは、梅毒を疑ってクリニックを訪れる患者さんには、性風俗で働く20代が多い、という婦人科医のインタビューが放送されていました。

母子感染のリスクもあります

喉の症状(モノが引っかかるような違和感、腫れ)は風邪に似ており、視覚的にも確認しにくい場所のため、医療機関の受診が遅れがちです。このことも患者数の増大に歯止めがかからない一因と指摘されています。

妊娠中に梅毒にかかると、胎盤を通じて胎児にも感染して、症状が重い場合は妊娠7~8ヶ月で死産となります。無事に出産できたとしても、乳幼児期は発育不良で、発疹・膿疱・脱毛・呼吸困難・麻痺などの症状が現れます。

ただし、妊娠中の検査や管理が進んだ現在では母子感染は少なくなっていますので、妊娠後に梅毒を過度に心配する必要はありません。

梅毒の症状としては、3週間の潜伏期間を経て、まず感染した部位にかたいおできができ、やがて潰瘍になります。キスやフェラチオで感染した場合には唇や喉に、セックスならば性器にできます。

赤い発疹は梅毒の症状の特徴

痛みなどはありませんので、多くの場合は見過ごされてしまいますが、3ヶ月くらいたつと、全身にバラの花びらのようなバラ疹(上の写真参照)や小豆や大豆くらいの大きさの丘疹、脱毛などが現れます。ほとんどはこの段階で発見され、ペニシリン(バイシリンG)を中心とした抗生物質で完治します。

しかし、放置していると、約3年後には皮膚や骨、筋肉、内臓にもしこりができ、脳や神経にも達して、手足の痺れや歩行障害、大動脈瘤、痴呆症状などが現れます。

梅毒感染者はHIV(エイズ)にも感染しやすいという報告があり、実際にHIV感染者の約50%が梅毒検査で陽性というデータがあります。梅毒にかかった場合は、合わせてHIV抗体検査を受けることをお勧めします。

セックスの際にコンドームを使用することは梅毒の感染を防ぐうえで一定の効果はありますが、フェラやクンニなどのオーラルセックス、性器具(いわゆるラブグッズ)の共用などでも感染するため、油断は禁物です。

梅毒の検査は簡単な採血のみで感染の有無が判定ができます。気になる症状がある方は、なるべく早く性病科や泌尿器科、婦人科、内科、咽喉科(喉の症状があるとき)などを受診しましょう。検査結果が陽性の場合はパートナーも検査を受けることが大切です。

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