性病の感染リスクを下げるコンドームの正しい使用方法

コンドームは薄さ0.02~0.05ミリの薄い丈夫なラテックス製またはポリウレタン製の細長い袋で、先端に1センチくらいの小袋がついています。これを男性性器の上にかぶせれば、放出された精液は小袋の中に貯まるので、性病の原因となる菌やウイルスが精液に含まれていても、女性は感染リスクを抑えられるというわけです。

着用で防げない感染症もあります

コンドームは、主に淋病クラミジア感染症トリコモナス膣炎、エイズなどの性病を予防したり、避妊のために利用されていますが、着用するとセックスの際にペニスへの刺激が減るため、早漏気味の人が射精を遅くして、セックスを長く続ける目的でも使用しています。

正しい使い方をすれば、コンドームは確実性の高い性病の予防法、避妊法として期待できます。しかし、性病をパートナーから移されたと疑われる女性、あるいは避妊に失敗して中絶を行った女性には、コンドームを使用していた人も少なくないのです。つまり、正しい使い方を守らないと、本来の効果が期待できないのです。コンドームを正しく使用するためには、以下のポイントを必ず守るようにしましょう。

袋を開ける際はコンドームを端に寄せる
セックスの最中で気持ちが昂ぶっているのはわかりますが、コンドームの袋をそのままビリリと開封するのは、中身を傷つける危険性があります。まずコンドームを袋の端側に寄せて、反対側に十分なスペースを作ってから開けるようしましょう。

カップルのマナー

袋を片手で持って歯で破くのがカッコイイ(?)と思っている男性もいるようですが、これも中身に傷をつける原因となります。爪が伸びている人も同様の理由でNGですので、注意しましょう。

ペニスが勃起したらすぐにつける
ペニスが勃起し始めると、カウパー腺から少量の分泌液が出ますが、そのなかにも精子は含まれています。射精寸前にコンドームをつけたのでは遅いです。

近年は、オーラルセックス(フェラチオなど)が原因で、喉に淋菌やクラミジアが感染する人が増えていますので、オーラルセックスをする場合は、最初から最後までコンドームを着用するようにしましょう。

先端の空気は抜いて、根元までつける
コンドームの先端の小袋を軽く捻って、空気を抜いてから、ペニスの先端にフィットさせて、根元まで下ろします。この空気を完全に抜かないと、破れたり、挿入後に外れてしまうことがあります。

射精後はすぐに引き抜く
射精が終わったら、ペニスがまだ勃起状態を保っているうちに、根元をおさえながら、ゆっくり、丁寧に抜きます。ペニスが元の大きさに戻ってしまうと、コンドームとの間に隙間が生じて、そこから精子が漏れてしまったり、コンドームが膣内に残ってしまいます。

ちなみに、おりものの臭いや量の異常を訴えて婦人科に来院する女性の数パーセントは、膣内に置き忘れたコンドームが異常の原因となっています。

一度使用したら、再利用しない
一度でも使用したコンドームは破れてしまう危険性があるため、続けてセックスを行う場合は、必ず新しいものを使いましょう。続けてセックスをする際には、前のセックスで体に付着した可能性のある精液を洗い流すためにシャワーを浴びるのが、性病を予防する意味では理想とされています。

粗悪品は避ける
日本のコンドームの品質水準、品質管理は世界トップレベルですので、国内の大手ブランド(オカモト、サガミオリジナルなど)の製品を使用すれば品質面の心配はありません。これらの製品は包装前に1つ1つ品質がチェックされている「JIS適合品」、すなわち国家基準に合格した製品です。

逆にJIS適合していない製品、海外旅行でお土産に買ったもの、ラブホテルに備え付けの製品(利用者によるイタズラの可能性あり)などは避けたほうがよいでしょう。

保存場所に気をつけましょう
「携帯に便利で、いざという時に取り出しやすいから」という理由で、個別包装のコンドームを財布に入れている男性は少なくありません。財布の中の小銭などでコンドームが傷つく可能性がありますし、財布をジーンズの後ポケットなどに入れていると、夏場は高温多湿の状態になり、製品が変質する可能性があります。携帯の際は、100円ショップなどで売っているハードケースに入れておくとよいでしょう。自宅で外箱に入れて保存する際は、直射日光の当たらないところに置きましょう。