セックスでB型肝炎ウイルスに感染する若者が増加中

B型肝炎ウイルス(HBV)によって起こる肝炎です。ウイルスに感染した時期によって、「一過性の感染」とほぼ生涯にわたって続く「持続感染感染」に分類されます。感染ルートは、輸血やセックスを介しての感染、それに母子感染です。

乳幼児は免疫機能が未熟なため、この時期に感染すると、多くは無症状のまま持続感染の状態に陥ります。これを「無症候性キャリア」といいます。一方、成人が初めて感染した場合は、一過性の感染でおわることがほとんどです。

一部の人は、感染から8~12週たったころに、黄疸、食欲不振、吐き気や嘔吐、全身の倦怠感などの症状が現れます。これが「急性B型肝炎」ですが、ほとんどはそれで終わってしまって、キャリアになることはありません。

急性B型肝炎になった場合は、入院して安静を保ち、栄養補給すれば1~2ヶ月で治ります。ただし、まれに短期間で肝細胞が大量に破壊されてしまう「劇症肝炎」を起こして生命に関わるケースもあるので注意が必要です。

1972年にHBs抗原検査が開始されてからは、輸血によって感染する人は減少しており、現在ではその危険性はほとんどありません。母子感染に対しては、産後に免疫グロブリンとワクチンを注射して、ほとんどの場合感染を防げるようになりました。

コンドームで感染予防

輸血と母子感染による心配がなくなった今日、最もリスクが高いのが、出血を伴うセックスです。生理中のセックス、粘膜が弱く傷つきやすい肛門の性交(アナルセックス)などによって、異性間・同性間ともにB型肝炎が流行しています。ウイルスは感染力が強いため、家庭内感染を起こすこともあります。

性行為や性的接触によって感染するB型肝炎ウイルスは、欧米型の「ジェノタイプA」と呼ばれ、慢性化しやすいため注意が必要です。ジェノタイプAに感染した一部の人は無症候性キャリアになることがわかっており、大きな問題なりつつあります。

キャリアとなった約10~20%の人は慢性肝炎となり、適切な治療を受けないで放置していると、肝硬変、肝臓がんに進行する恐れがあります。

B型肝炎の検査は、採血による肝機能の状態と肝炎の状態を示すウイルスマーカーを測定して行います。B型肝炎ウイルスの感染者が多いアジア地域に旅行する機会の多い方は、衛生環境に気を配るようにしましょう。