子宮頸がんにはヒトパピローマウィルス(HVP)が深く関係

子宮の入り口の粘膜に発生するがんで、子宮がん全体の約70%を占めています。発症者は20歳代から増え始めますので、若い人でも油断は禁物です。

近年明らかになったのは、性感染症(STD)であるヒトパピローマウィルス(HVP)の感染者に子宮頸がんが高率で発症していることです。

HVPは男性のペニスに潜んでいて、セックスのときに、子宮入り口の細胞に感染すると考えられています。セックスしただけで、子宮頸がんのリスクがあるとはいいませんが、性生活に深い関係があることは事実です。

このヒトパピローマウィルス(HVP)は現在、100種類を超えるタイプが発見されており、感染の仕方、感染部位、悪性度に大きな差があります。子宮頸がんに結びつく危険性の高い「高リスク群」には16型をはじめ、18・31・33型など、約15種類が分類されています。

高リスク群のHVPが特に感染しやすいのが、膣と子宮頚部の境目の部分です。そこに感染すると、徐々に細胞に変化が現れて悪性度が増し、やがてがんの前段階である前がん病変という状態になり、遂にがんになると考えられます。

ただし、高リスク群のHVPに感染した全ての人ががんになるわけではありません。例えば1000人が感染したとしても、約70%は一過性の感染であって、強い免疫力のもとに自然に治癒します。子宮頸がんの発生は、高リスク群のHPV感染者1000人に対して1人の割合です。

子宮頸がんは、初期の段階では自覚症状はありませんが、次第に月経が不順になったり、性交後の出血や、さまざまなおりものが現れてきます。さらに進行すると、普段でも出血するようになり、下腹部の痛みや発熱、やがては排尿・排便困難が現れます。

年代別の発症率

従来、子宮頸がんの患者の多くは40代以降の中高年が中心で、検査も30歳以上を対象としてきました。しかし、子宮頸がんになる若い女性の割合が増加し、20代では1990年代半ば以降の10年間で約10倍となっています。そこで厚生労働省では、2004年4月から子宮頸がんの無料検査の対象年齢を20歳に引き下げました。

がんが上皮にとどまっている早期の段階で発見して治療を行えば、治癒率は100%ですので、早くからセックスの経験がある人や、過去に複数のパートナーがいた人は、年齢を問わずに子宮頸がんの検査を受けるようにしましょう。